一体人間は、二つの魂の誕生をもっているといえよう。世界がこんなに美しく、世の中がこんなに面白いものかと驚嘆する時がある。これが第一の誕生である。そしていつか、それとまったく反対に、人間がこんなに愚劣であったのか、また自分 [...]

思想

ただむつかしいのみで、無内容なものならば、読む必要もないが、自分の思想が及ばないのでむつかしいのなら、何処までもぶつかって行くべきでないか。
『続思索と体験・『続思索と体験』以後』(西田幾太郎)

くらやみ

三本のマッチ 一本ずつ擦る 夜のなかで
はじめのはきみの顔を隈なく見るため
つぎはきみの目をみるため
最後のはきみのくちびるを見るため
残りのくらやみは今のすべてを思い出すため
きみを抱きしめながら。
『プレヴェール詩集 [...]

幸福

義務感は、仕事においては有用であるが、人間関係ではおぞましいものである。人びとの望みは、人に好かれることであって、忍耐とあきらめをもって我慢してもらうことではない。たくさんの人びとを自発的に、努力しないで好きになれること [...]

謀叛

諸君、幸徳君らは時の政府に謀叛人と見做されて殺された。諸君、謀叛を恐れてはならぬ。謀叛人を恐れてはならぬ。自ら謀叛人となるを恐れてはならぬ。新しいものは常に謀叛である。「身を殺して魂を殺す能わざる者を恐るるなかれ」。肉体 [...]

世界の市民

われわれは、独りでは安らかに生きることができないこと、われわれ自身の幸福が遠い他の国々の幸福に係わっていることを学んだ。われわれは、砂に頭をうずめたダチョウや飼葉桶の中の犬としてではなく、人間として生きねばならぬことを学 [...]

ハンプティ・ダンプティ

「わしが言葉を使うときには」と、ハンプティ・ダンプティは、鼻であしらうように言いました。「その言葉は、わしが決めただけのことを意味するんじゃ──それ以上でも、以下でもなくな。」
「問題は」と、アリスは言いました。「一つの [...]

良心

良心というものは、それぞれ個人の中にあって、社会がそれ自体を保持するために発展させてきた法則の番人なのだと、と私は思う。われわれがその法則を破らないように見張るために配置された、われわれの心の中の警官である。自我という中 [...]

毎日が

時がたつのが早いと思うようになるのはわれわれが人生に慣れ親しんだ結果である。子供の場合のように、毎日が未知な世界への第一歩であれば、日々は経験の集積で長いものとなる。
『ヘンリ・ライクロフトの私記』(ギッシング)

毎日 [...]

メディア

世の中に事件がなにも起きていない、ニュース取材者たちは眠っている、あるいは競争相手のニュース取材者たちのほうがもっと機敏である、といった印象を人々に与えないためには、どうしたらよいか? 印刷や放送の経費が増大するにつれて [...]